2018年09月25日

炊き出し鍋開発のきっかけ(2) 〜防災鍋の開発・製作〜


いざ炊き出し用の鍋を製作しようと思って考えてみると、色々な事を考慮しなければならない事が分かりました。

大体どれぐらいの規模の鍋を作るのか、材料の歩留まりはどうか、強度や重さは、大量の料理は実際に可能なのか、等々、一つを変えるとその影響が全部に及ぶ事ばかりでなかなかまとまりません。

元々お得意様から設計図を頂いてその加工だけを行うという、ほとんどの他の町工場と同じ経営スタイルでやってきた弊社です。
加工技術はあっても設計するという事に関しては全く経験が無く、文字通り手探りの状態から始めました。
学問がないので経験と感覚で設計していきました。

大事にしたのは次の二つです。
(1)自分は何を成そうとしているのか。
(2)自分がそれを使うとしたらどう作るか。

幾つか試作してこれなら良いだろうという鍋が出来たのは震災から半年以上経った頃でした。

この頃製作した鍋はかなり大きい物で今の炊き出し鍋の2倍近い容量がありました。
防災鍋という名前にして販売しましたけど、カマドは無くてただの大きな鍋のみというものでしたから今から考えると扱いづらい物だったと思います。

とは云うもののやっと出来上がった鍋です、嬉しくて宣伝に駆け巡りました。
製品の売り先は町会や自治会と思っていましたから、多方面から色々紹介してもらって3台納品させていただきました。
その3台目の鍋を自治会の会長さん宅に納品に行った時に言われたのです。

「これ、鍋は良いけどカマドはどうするの?」
「はい、カマドは鍋の下にブロックを立てて使ってください。」
「でもさ、そんな非常時にブロックなんか手に入らないじゃない。」
「用意しておいてもらうとか出来ませんか?」
「…あのさ、せっかくこういう鍋作ったんだからカマドを考えてよ!」
「カマドですか… はい、じゃちょっと考えてみます。」

この時の会話が炊き出し鍋を作るキッカケになったのです。


つづく
posted by 社長ボーイ&炭っ子ガールズ at 10:00| Comment(0) | ステンレス加工
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